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簡単1分ケア!「膝が痛い」でもう悩まない!健膝ウォーキング

手軽に始められる健康法として人気のウォーキング。何歳になってもウォーキングを続けるために大事なのが、加齢によって痛みの出やすいひざに負担を掛け過ぎない歩き方を心掛けることです。たった1分でできるウォーキング前のひざのケア方法と、ひざに負荷を掛け過ぎない歩き方を、ウォーキングトレーナーの長坂靖子さんに教えてもらいました。

目次

 

60歳を過ぎたら、大事にすべきは歩数や距離より〇〇

※本記事でご紹介する動きは、体に無理のない範囲で行いましょう。既にひざに痛みのある人は、医師の指導に従ってください。

「ウォーキングは『歩く』という日常動作を生かした有酸素運動なので、体力に自信のない方にも始めやすいもっとも身近で手軽なエクササイズ。脂肪燃焼効果や筋トレ、血流アップなど体にいいことがたくさんあります」と話すのは、看護師の資格を持ちながらウォーキング講師として活躍する長坂靖子さんです。

「ウォーキング効果を実感するには何よりも『継続すること』が大事。歩く時間を長く継続すると脂肪燃焼効果が高まり、さらに何日も継続することで筋力アップやロコモティブシンドロームの予防にもつながります」と長坂さん。しかし、年齢を重ねるにつれ「歩きたい」という気持ちとは裏腹に足腰に痛みが出て「歩けない体」になっていくケースが増えていきます。

「私の教室の年配の生徒さんの中には、『ひざが痛くなってきた』と段々と歩かなくなってしまう方がいます。そういった方は歩数や距離にとらわれて歩きがち。60代を過ぎたら、まずはひざを痛めない歩き方を意識することが大事です」(長坂さん)。

 

なぜひざは痛くなる?その原因とは

年齢を重ねるとなぜひざに痛みが出やすくなるのでしょう。その理由はさまざまですが、長坂さんは「ひざを守る働きのある膝蓋骨(しつがいこつ)の動きが悪くなり、ひざを保護する働きが弱まることが原因の一つ」と言います。

ひざの痛みを解消するためには、ひざを保護する膝蓋骨の動きを良くすることが大事。「そのためには、ひざをマッサージしてゆるめ、次に膝を引き上げる筋力をつけ、膝に負荷をかけない歩き方を日常的に心掛けましょう」(長坂さん)
今回は、膝蓋骨の動きを良くするためのマッサージとストレッチ、プチ筋トレをご紹介。続いて、ひざにいい歩き方を解説していきます。

※これからご紹介する動きは、体に無理のない範囲で行いましょう。既に膝に痛みのある人は、医師の指導に従ってください。

 

簡単!歩く前の3つの準備体操

■ひざの周りをゆるめる(マッサージ)

1、ひざを伸ばして長座します。
※長座が難しい方は軽くひざを曲げてもOK。

2、膝蓋骨(ひざの皿)の縁を親指で軽く押します。膝蓋骨上部から下部へ位置をゆっくりスライドさせていきましょう(1か所につき10回程度)。

※痛みを感じない程度の強さで優しく行いましょう。

3、膝蓋骨に手のひらを置いて優しく包み、円を描くようにゆっくりとさすります。10回程度行いましょう。

■ひざ曲げ(ストレッチ)

1、机や壁などに手を置き、転倒しない体勢をとってから、右足のつま先近くを持ってかかとをお尻の右側に引き寄せます。このとき、下の写真のようにひざの位置とかかと、お尻の位置が直線状にあるように意識します。太ももが伸びるのを感じながら、10秒キープし、これを3回行います。

2、左脚も同様に行いましょう。

■ひざ伸ばし(プチ筋トレ)

1、椅子に座り背筋を伸ばし、つま先を上に向けた状態で右足を前に出します。下の写真のように背筋と足が90度になるイメージで行いましょう。このまま10秒キープし、これを3回行います。太ももの筋トレにもなります。

2、左脚も同様に行いましょう。

 

ひざを痛めないウォーキングフォームとは

ここからは具体的な歩き方を解説していきます。チェックすべきポイントは以下の4つ。

☑顎を引いて背筋をまっすぐ伸ばす。
☑腕振りをしっかり。特にひじをしっかり後ろに引く。
☑ひざとつま先を進行方向にまっすぐ向ける。
☑足の着地と蹴り上げをしっかりする。

長坂さんが特に注意してほしいと呼びかけるのが、膝とつま先の向きです。「足が内側や外側に向いてしまうと、ひざ関節に負荷がかかってしまいます。きちんとまっすぐ足を出すことがひざを守るためには大事です」(長坂さん)。

腕をしっかり後ろに引くように振ると体幹がまっすぐになり、足もまっすぐ前に出やすくなるのだそう。

また、足全体をしっかり使って歩くことも重要。下の写真のようにかかとから着地したら足裏全体を接地させ、指の付け根で蹴ることで、膝への衝撃を少なくすることができます。

いかがでしたか? ご紹介した動きはウォーキングの時だけに限らず普段から意識しておくのがおすすめ。ひざに負荷がかかりづらい歩き方が習慣化しやすくなります。

「健康のためにぜひ『歩きたい』という気持ちを持ち続け、いつまでも歩くことを楽しんでください」(長坂さん)

 

教えてくれた人

ウォーキングトレーナー
長坂靖子さん

1968年生まれ。株式会社インプレックス代表取締役、日本ウォーキングセラピスト協会代表、元ミス日本。看護師の資格を持ちながらウォーキング講師として活躍中。主な著書に『痩せる!ウォーキング』(主婦の友社刊)、『腹横筋ブレスでお腹がスキッとしまる!』(青春出版社刊)など。

写真=中西裕人