食卓に、お花がある
おいしさを。
「plateflower」

──── オイシサノストアでは、篠崎恵美さんが主宰を務めるedenworks|EW.Pharmacyと一緒に「食卓に、お花があるおいしさを」というテーマにした作品をお届けします。「plateflower」の使い方やこだわりについてうかがいました。
オイシサノトビラ
今回、花と食とをつなげる作品を一緒に考えてもらいましたが、いかがでしたか。
篠崎
わたしは自分がやったことがないことや、可能性を広げることに挑戦していきたいタイプなので、お花と食事をつなげるコンセプトが決まったときに、お料理の近くにあるお花の形として新しい提案できたらと思いました。この企画が、わたしたちedenworksがいつもしていることと繋がっていると伝えられたらいいなと思っています。
オイシサノトビラ
今回は、食事とお花をつなげたらどのような表現ができるかというお話からはじまりました。
篠崎
そのとき、お花って花瓶に入れると結構背が高くなって、テーブルに置きづらいね、というお話になりましたよね。きっと、みなさんも食卓に生花を飾ったことがあると思いますが、お花から花粉が落ちたり、高さがあったりして、食卓に合わせるのが大変だと感じた経験があるかもしれません。お花屋さんで売られている花をそのまま花瓶に挿せば、想像していた以上に大きくなってしまいます。日本の家庭で一輪挿しが人気なのは、日本のテーブルに合ったコンパクトなものだからではないかな。
そういうことも考えて、今回はテーブルに飾るお花をコンパクトにつくる、新しい表現を考えてみました。食卓に飾るものとして、よくあるふわりとしたアレンジメントフラワーではなく、ぎゅっと詰まったものがあってもよいのではないかと考えました。
オイシサノトビラ
そこから篠崎さんから提案されたのが、器に盛り付けるということでした。
篠崎
最初は、お皿に盛り付けるような形でお花を飾れたら、食べ物と一緒に置いたときに素敵だろうなと思いました。そこからいろいろな食器を見て、食卓にもお花にもなじむ器を見つけて、そこにお花を一輪ずつ手作業で敷き詰めていきました。

オイシサノトビラ
今回の作品には、普段のお花でしている表現と共通する部分はありますか?
篠崎
わたしたちが運営する店舗にEW.Pharmacyという薬局をイメージしたドライフラワーショップがあります。スタッフがカウンセリングするように、ご相談をうかがいながらドライフラワーを選んでいただき、その場でアレンジしていくスタイルです。選んだお花の名前や花言葉を記して、処方箋としてお渡ししています。それがあることで、受け取る人は選んだ人の気持ちや思いが分かったり、それがきっかけでお花の話をすることになったり。お花のことを知らなければ、「綺麗だね」で終わってしまうかもしれないけれど、少しヒントがあるだけで、会話って花開きますよね。
「plateflower」も、食卓のお花からその名前や花言葉を知ってもらえたり、季節のお花の話ができたりするきっかけになるようにしたいと思いました。EW.Pharmacyでは「処方箋」と呼んでいますが、今回は食卓なので「お品書き」としています。
オイシサノトビラ
お品書きもユニークですが、器に入れるというアイデアは想像もしていませんでした。
篠崎
お花は食べられないけれど、そこに並んでいる料理と一体感があったらいいなと思って。いつもは花瓶に活ける仕事をしているけれど、今回はお皿に。器と花瓶だと高さが違うけれど、高さが同じだから全体と馴染みがいいと思っています。
オイシサノトビラ
実際に構想から作品にしていく中で、どのようなところにこだわりましたか?
篠崎
あまり過剰な表現にならないように意識しています。食卓ではお料理が主役です。その食事のおいしいを引き立てるお花をイメージしてつくりました。
オイシサノトビラ
ドライフラワーの綺麗な発色には、とても驚きました。
篠崎
ドライフラワーの発色には、こだわりがあります。edenworksではお花をできる限り破棄しないように、綺麗にドライフラワーにする急速乾燥機を導入しています。また、乾燥させるタイミングも早い方が色が残りやすいので、決断のスピード感が重要です。あとは染色を施しているものもあります。今回は春の雰囲気に寄り添って、優しい色合いのものを取り入れています。
オイシサノトビラ
お花と器との組み合わせやパッケージ、とても篠崎さんらしい作品と感じました。
篠崎
プロダクトを作る際に、ユニセックスなイメージになるようにしています。お花も、おしべとめしべが共存するので、男女の垣根はなくしたいです。それでもお花は可愛いので、甘くほっこりとした印象になりがち。だから、自然の美しさを引き立てつつ、洗練されたソリッドなパッケージを選びました。中を開けたら優しいイメージだけど、外側は無機質に仕上げたので、贈る人を選ばず手に取っていただきやすいのではと思います。
器は、長崎の波佐見焼にしました。グレーを選んだことで和と洋どちらのメニューにも合わせやすくなっています。トーストと目玉焼きといった簡単な洋風モーニングも、鮭の塩焼き定食のような和食にも馴染むと思います。

オイシサノトビラ
お花の香りは、あえてつけないようにしたんですよね。
篠崎
インテリアとして飾るものだったら、香りをつけてもいいのですが、食べ物と一緒に並べるコンセプトなので、あえて香りは付けていません。でも、季節が変わって飾る場所も変わっていくなら、アロマオイルなどを垂らして香りを楽しむのもいいかもしれませんね。食卓でも香りが欲しい人は、おいしそうな香りをつけるのも楽しいかもしれない。柑橘とか、レモングラス、バジルといったハーブもよさそう。
オイシサノトビラ
「plateflower」は、どんなシーンで活躍しそうですか?
篠崎
どんな食卓にも合わせられるといいなと思ってデザインしているので、ご自宅用はもちろん、性別年齢問わず、ギフトにもおすすめです。
お花って、お花屋さんで買って家に飾る習慣がない人には、思ったよりもハードルが高いものです。実際に買ってみようかなと思っても、お花をどのように扱えばいいかわからなかったりします。そういうお花初心者の方にも、食事に添えるだけなのでぜひ飾ってみて欲しいです。
今回は10種類の花を使っていますが、それほど多くの花を一度に見る機会って、お花屋さんに行く以外に滅多にないかと思います。しかも、いろんな国からの花を組み合わせていて、中には珍しいお花もありますよ。お気に入りを見つけてほしいと思います。
オイシサノトビラ
花が食卓にあると、今日のうちのご飯、なかなかいいなって思えそうです。
篠崎
食卓にお花を添えることで、見た目の美しさだけでなく、花言葉や季節の話題を共有できます。そういった花にまつわるお話も、食事をおいしくするひとつの要素になると思います。
あの人の食卓に、ストーリーがあったら喜んでくれるかもしれない。そう思い浮かぶ人に贈ってほしいです。一人暮らしの方にも、一品増やすみたいにお花で彩りをくわえることで食事の時間が楽しいひとときになってもらえるはず。
この小さなお庭が食卓にあることで、いつもよりご飯がおいしいなと思っていただけたらうれしいですね。
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